一息

療養かねて今日は自宅仕事の筈が朝から引っ越しの片付けと初挑戦でMieleの洗濯機と乾燥機を使用することになった。

ヤドカリのように身一つで引っ越せたらよいのだが、人間というのは手ぶらで生きて行けない生き物で、わたしなど必要以上に物が在る。

といってもとてもアンバランスな在り方で下着は7組しかない。

使用都度その日に洗うから7組で十分なのだ。

反面、靴は仕事が変わるごとに買うから100足近い。

何度か整理して手放すが気づくと増えている。

立ち仕事をするようになったらどんどん足の形が変わり痛くて履けなく購入したりが在庫増の要因である。

ムカデじゃあるまいし2本の足はそんなに靴を必要としないとわかっているがまだ履けることもありアンバランスの財産を所持しているのだ。

好きで着るスカートも定番の3、4枚で、購入する時は目をつむってお会計しないと買えない。

だがこの高価な代物は洗濯可能なので海外へ出張する時は大変重宝で、皺にもならず洗って下げとけば皺無く仕上がる。

そのスカート達を今日はMieleの洗濯機と乾燥機を使用してみた。

日本製とはまるで違う仕組みに戸惑いながらも見よう見まねで洗濯を終え、乾燥機に移してゴロンゴロンと回していたが、大事なスカート達が入っているので気になり少し早く扉を開けた。

あちち!とモウモウと湯気の立つ洗濯ものを持ち出すと見たことの無いスカートが紛れている。

こんなのなったかな?と広げてみると私の溺愛スカートではないか!

あちち!の温度のドラム缶でくたくたとアイロンをかけられたような皺が付いている。

あきらかにMieleにお世話になる前とようすが違うそのスカートは「乾燥機、しんどかったです・・・」と倒れ込んで能天気なわたしに救助されたのだ。

このまま様子が変わらなかったらどうしようと歯が抜けたような心細さを感じつつ取り敢えず干した。

救助した溺愛スカートにまだ謝罪はしていないがこれから私は自分のコンコン止まらぬ咳の治療に出かけねばならぬ。

ちょっと行ってくるから待っていて。