シーツの皺

持って生まれた性質なのか。

ぐちゃぐちゃ訳の分からないことが苦手で嫌いだ。

自分の持ち物、自分の居場所、自分の夢。

いつも整理して把握していたい質だ。

旧友が時折話す私の弁当の食べ方

「あなたはいいとこのお嬢さんだってお弁当の食べ方で思ったわ。

お魚を弁当の蓋に除けて、綺麗に骨や皮を外して食べている姿をみて」

お嬢さん?何のことはない、弁当箱の中で混ざるのが嫌なだけだ。

幼稚園の頃からそうだ。

ベッドのシーツに皺が在ると気持ち悪くて寝たのにわざわざ起き上がり

ピンピンと皺を伸ばす。

試験の前でも探し物が気になれば見つかるまで探す。

枚挙にいとまが無い。

高校生のある日、何の切っ掛けか閃いた。

「シーツの皺で寝れないなんて、この先気にしていたら生きて行けないな」

その晩、わざとクチャクチャとシーツをたぐり寄せ猫のようにその上に丸まって寝てみた。

何とも心地よい気がした。

それからというものワイルドな要素が自分に出来た。

それもあることに関して。

代表的なものは何かって?

それは生き方かもしれない。