ずっと昔に、遥か彼方に
どこかの誰かのものになって
次の世代を生んで
人生これでよかったのかと思い巡らすことなど皆無で
当たり前の朝が来て
あっと言う間に昼食時間になり
いつものように夕食を作る
日曜日の午後には買い出しで
いつも助手席に座り
また一週間が始まる
そんな日々の繰り返しの中
少し皺が出来
白いものが髪に混ざり
生んだ子供は巣立ち
誰かと二人きりになる
話すこともさほど無く
この先したいことも見当たらず
老年に備えた暮らしになり
お迎えが来るのを待つようになる
ああ、考えるだけでぞっとする
こんな生き方をしたくて生まれて来たんじゃない
私は自分の手で人生を作り楽しみ味わいたい
人を充てにすることなど馬鹿げている
そんな夢を子供の頃に見たのだ。