おくりびとの友人

友人がご遺体100体を送ったらアルバイトを辞める予定でいると

先日久しぶりに会った時に言った。

今は78体らしい。

友人は離婚をためらっていた数年前とは変わり決心をしたようだ。

「人って死に際なのよね、結局」

どう生きて来たかがその死に際に凝縮されているという。

 

集まる老齢ばかりの肉親

延命治療をしながら慰謝料でもめる家族

さっさと終わらせてという態度の妻

追うように無くなる夫

「本当の幸せ、人生ってなんだろって考えさせられるわ」

死ぬことを考えていない訳ではないが

もっと先だろうと先へ先へ延ばす自分がいることは自覚している。

何故先なのか。

そのことを突き詰めると甘えしか言葉が見当たらない。

ジャンケンっとグを握りこぶしでしめているところだから。

友人に100体後はどうするの?と聞いたら

今度は結婚相談所に勤めたいとのこと。

何故って、

人生はやはり誰と出逢うかで決るらしい。