手元に履歴書が届く。
わたしの半分の歳にも満たない彼女の履歴書はまだまだ行数も余り
装いと同じ綺麗な履歴だった。
一人子供を育てている主婦の履歴は
クラブ、クラブと書かれ18歳から水商売だけで生きてきたものだった。
日曜はどうしても休みたいというどこか自信なげな彼女は実家暮らしで
日曜は教会へいくためだった。
暗い目をして人の視線を最後まで追っている20歳の女子大学生は
思ったのと違ったと短期に仕事を移り変わっていた。
数え切れない程の履歴書。
その人の人生を少し垣間みる。
わたしの履歴は色鉛筆のように賑やかだ。
原色から無彩色まで。
履歴書に見るその人の色。
その色で描く絵。
わたしはカメレオンのようにどのキャンパスにも描ける。
でもテクニックはない。
あるのは描きたいという想いだけ。
たくさんの色を持っているだけ。