一人の話

昔、大きな別れをした後にこの詩と出逢った

時に慰められ

時に読むことさえ忘れ

時に一人でもなく

時にまた読み返す

人はこの繰り返しなのかもしれない

そして今また

わたしは読んでいる

 

 

 

 

一人は賑やか

一人でいるのは 賑やかだ
賑やかな賑やかな森だよ
夢がぱちぱち はぜてくる
よからぬ思いも 湧いてくる
エーデルワイスも 毒の茸も

一人でいるのは 賑やかだ
賑やかな賑やかな海だよ
水平線もかたむいて
荒れに荒れっちまう夜もある
なぎの日生まれる馬鹿貝もある

一人でいるのは賑やかだ
誓って負け惜しみなんかじゃない
一人でいるとき淋しいやつが
二人寄ったら なお淋しい

おおぜい寄ったなら
だ だ だ だ だっと 堕落だな

恋人よ
まだどこにいるのかもわからない 君
一人でいるとき 一番賑やかなヤツで
あってくれ