もちもちの木

ここ数日、涼を取るのに寝床を移しました。

部屋の明かりを消すとその窓にはカーテンに「もちもちの木」が映し出されます。

風に揺れて動く木の葉の影は、子供のことから好きな斎藤隆介作、滝平二郎絵の絵本「もちもちの木」を思い出させるのです。

ストーリーはこうです・・・

『峠の猟師小屋におじいさんと住む豆太は臆病者で、夜はおじいさんを起こさないとトイレに行けないほど。家の前にある「モチモチの木」と名づけたトチの木が怖いのです。そんなある晩、おじいさんは腹痛で苦しみ出します。おじいさんを助けるには暗闇の中、約2kmも離れた麓の村まで医者を呼びに行かなければならない。豆太は勇気を振り絞り医者を呼びに行き、おじいさんは助かります。その時におじいさんの話していた木に雪明かりが灯り、モチモチの木とはこのことだったんだと意味を知ります。しかし相変わらず豆太はおじいさんを起こさないとトイレに行けないのでした。』

こんなシンプルな話しなのですが滝平二郎氏の切り絵の木の迫力が子供だったわたしの脳裏に焼きつきました。

その記憶のお陰で大人になっても窓に映る木の影も何だか懐かしく、心落ちつく夜を作ってくれるのです。

あなたの夜の窓にもモチモチの木は見えませんか?