1923年のイギリス。
ランズエンドに向か途中に絶景と言われるコーンウォールがあります。
その湾を見下ろす崖を切り開いた岩の中腹に30歳のロエナ・ケイドは女性一人で60年の歳月をかけ野外劇場を作りはじめました。
その名は「ミアック・シアター」。
コーンウォール語で石がたくさんの劇場という意味です。
彼女は演劇を愛していました。
その劇場を素晴らしい環境に作りたい一心で重い石を乗せた手押し車を来る日も押し続け、
今でも人々を魅了するミナック・シアターを完成させたのです。
彼女は生涯のすべてをこの作業に捧げたのでしょう。
生涯独身で、すべてのこと、すべての時間をシアター作りに充てていたと言われます。
その姿は神々しい程だったそうです。
60年間!
世のサラリーマンは「還暦だ!」といってリタイアしている歳。
彼女は90歳の最期まで作りました。
どんな声をして、どんな瞳をして、どんなことを考えていたのでしょう。