
幼少のころはどこの家にもピアノがあり、友達も学校の後の習い事にピアノかバレエが人気でした。
わたしは既にドからドに届く手を持っていて、友達にピアノしたら?と言われていました。
母に「ピアノを習いたい」というと「ダメ」と言われ、憧れのバレエを習いたいと言っても
股関節が弱かったのでお医者さんから禁止されていました。
高校生になるとドからミまでなんとか届くようになり、ピアノを習っている友人に学校で教えてもらい、ある1曲を手で覚えました。
その曲は30年たった今も弾けますが、やはり習わしていただけたらもっと楽しい音楽の時間を人生で持てたかもしれないと思うこともあります。
母に当時何故ピアノを習わしてくれなかったの?と尋ねると
当時は1年毎に引っ越しをしており、引っ越しは会社の同僚に手伝ってもらうのが一般的だったらしく、ピアノを持っていると同僚に迷惑がかかるから、とのこと。
そんなことでピアノが習えなかったのかと驚きましたが、
両親らしい心遣いに頭が下がりました。
母は今、ピアノを20年近く習っており私より譜面が読めます。
そして私は相変わらず唯一の曲を弾きながら、30年前を思い出すピアノ時間を楽しんでいます。
これもまた、人生で楽しい音楽の時間を持てたのでしょうね。