
その本を読んでから20年経ちました。
山野忠彦さんの『木の声が聞こえる』。
山野さんは樹医という仕事をつくった方です。
この本の中で感動する箇所はたくさんありますが、
中でも「木は会話をするんですよ」の言葉。
天敵が来た時、「気を付けて」と他の木に伝えたり、
弱っている木に「元気になってね」と声をかけると喜ぶというのです。
そして私達にできることは、道路脇で排気ガスを吸いながらも
頑張って酸素を作ってくれている木々に触れて、
「ありがとう、ありがとう」と声をかけてください、と言われてました。
子供の頃、真冬の森で大きな木を抱えたことがあります。
とても木肌が温かく、安心したことを覚えています。
今も時折、少し元気のない木に「元気になってね」と思いながらポンポンと触れています。
それだけでも木が喜んでくれるのですから。