
煎茶道、あまり馴染みのない言葉ですが、お茶とお花と、窮屈でない茶道の遊び心が魅力の一つです。
形式にとらわれずに煎茶を飲みながら清談を交わすいわゆる「煎茶趣味」が文人の間で急速に広まり、江戸中期になると売茶翁により、それまで中国文化の模倣の域を出なかった煎茶趣味の世界に
独自の方向が示され、
さらに煎茶は江戸や京都・大阪を中心に上流階級に広く普及したそうです。
「煎茶趣味」、何とも魅力的な言葉の響きですが、この時代に、こういう趣味にふれた方はどういう暮らしをしていたのだろうと、思いを巡らせるだけでも楽しくなります。
そして、生活の中でこのような時間を持つことの意味を知り、大切にしていたのだと思います。
今の私達の時代、気軽にお茶が飲めるクイックなカフェが増えましたが、今一度、自分の身体に取り込むお茶、その時間を見直してもいいのでは、と思います。