打ち水

打ち水は子供のころから好きな行為です。

当時は玄関から門までのアプローチに砂利が敷き詰められ、変わった色の飛び石がリズムを刻んで埋め込まれていました。

夏休みの朝は、玄関にある家族の靴を一つ一つ除けて、ほうきで掃いた後、柄杓に水を汲んで打ち水をします。

そのまま玄関から門まで掃いて行くのですが、砂利の上の落ち葉はなかなか掃けず、

「砂利でない方が楽だな」と思ったものです。

 

今年静岡で初めて迎える夏、打ち水を開始しました。

柄杓に水を入れ、手で内玄関にまきます。

ほうきでサッーサッーと掃くと水がまんべんに広がります。

玄関を大きく開け放すと、太陽の日差しが差し込んできます。

そのまま、門までのコンクリートのアプローチを水をまいてはサッーサッーと掃き進めます。

 

今朝は門で水をまいていると、自転車の通りすがりの女性が「おはようござます」と声を掛けてくれました。

わたしはとっさでしたが「おはようございます」と応えながら、とても気持ちよく思い、

相手も気持ちよい朝になればいいなーと思いました。

玄関にもどると枝豆のような真緑色のバッタがいました。

「ほー、もう来客だ」と感心して観察していました。

都会にいるころは、狭いマンションに虫1匹現れただけで大騒ぎ。

ところ変われば、ひとの意識もかわるものだなーと大騒ぎした自分を滑稽に思いました。

わたしにとって打ち水は、涼より場や心を清める大切な行為なのです。